読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひまつぶしのーと

ヒマつぶしに書いてます

接客のスキルをモヤモヤかんがえる

なんか書く。

さいきん、たて続けに「接客はむずかしい」って考えこんじゃうようなことがあった。


ひとつは、どんな人でも不快にさせるような話し方しかしてこない年配の女性のお客さん。
すごい上品なかんじで、お金もあるような方なのに、上品な口調からは感動するぐらいに「人をムッとさせる」言葉しか出てこない。
なんでこんなに品良く人を怒らせれるんだろー、って、ほんとに感嘆しちゃうぐらいの話し方をする人。


それも、ひとりのターゲット(店員)を見つけると、ずっとそこで絡みつづけるから、ターゲットにされた店員は閉口しちゃう。
うちじゃない気性の荒い店員がいるお店だったら、ぜったい「もう来るな」って店から追い出されてるよねー、っていうぐらいに、ほんとにうんざりするほどネチネチ言いがかりをつけてくる。
ノン子さんもこれをやられて、ずっと辛抱強く丁寧に応対してたけど、最後はもうなんの言葉も失って(だって誠実になにを応えても揚げ足とって言い返してくるから)お客さんを前にして文字通り「うーん」って唸ってた。


わたしも、さいしょはかなり辛抱強く応対したつもりだけど、なんどか神経がピキピキして、「いい加減になさったら?」っておなじように上品な口調を真似して言い返したくなったぐらい。
だけど、この人がいちいち絡んでくる言葉を、どう受け止めるのが「上手な接客」なんだろー、って課題をつきつけられた気がした。
一流のホテルマンだったら、なんかこの方を満足させる対応ができるような気がする。
そんな「余地」があるような気がする絡み方をする人だったから。
だから、それがわたしにはなぜ思いつかないのか、って、ずっと考えこんじゃうお客さんだった。

 

もうひとつは、「事件」みたいな出来事。


さいしょは、一緒に組んだ高校生のバイト君(いまは夏休みだからいろんな時間帯に学生バイトがシフトに入ってる)が、ある常連さんのレジを済ませたあと、そこで唸ったまま立ってたから「どうしたの?」って聞いた。
そしたら、その常連さんとのお会計のやりとりをした後、言われるままに渡したお釣りが「渡しすぎ」てる気がする、って言うから、その「やりとり」を再現してもらったら、ほんとにお釣りを多く渡してたことがわかった。
その「やりとり」っていうのは本社から「厳重警戒」通達の例に出ている釣銭詐欺の手口のひとつ。


だけど、そのお客さんはわたしはいつも雑談もする人で、気のいいおじさん、っていう感じの人だから、故意の詐欺とはぜんぜん思わなかった。
おじさんもお釣りのことで話してるうちに勘違いして多く貰ってちゃったんだろーなー、って思っただけ。
おじさんにもバイト君にもどっちにも非がないと思ったし、少額(っていうか微額)だからレジの異算にしといても構わないケースだと思った。


その後、どの時間帯のどのお客さん、っていう具体的な話は一切なしで、うちのお店で返金できないものを返金要求されてバイトがうっかり応じてしまった例が事務所で注意事項として書かれてた。


入ったばかりのバイトがすべての業務を「理解」しきるなんてムリな業種になってるから(研修でも教えきれないことだらけだから)、咄嗟の判断を即座に強いられる場面ではいろいろ勘違いによるミスは頻発してる。
目の前に立ってお客さんが苦情を言ってくれば、だれでも「焦る」し、できるだけ早く対応しなければ、って思うから、勘違いも発生しやすし、それを正してくれる機会が得にくい。
責任者に聞け、って言われるけど、時間帯によっては店長も時間帯責任者も「不在」のときなんてごろごろあるからねー。


これはこういう職場の問題点だとわたしは思ってるから、その事務所の注意書きは、「これは返金できない例」として覚えておけ、ってことだと受け取った。
わたしはそのことは前のお店のときから知ってることだったから、注意書きを読んだだけで、「どのお客さん?」なんてことは気にしなかった。
ある特定のお客さんに注意、っていう時は、そういう書き方されるし。


その後、わたしが高校生バイト君がお釣りを渡しすぎちゃったお客さんのレジ応対をした。


いつものことだけど、接客はお天気の話とか、ちょっとした雑談を交わしながらとか、「常連さん」モードのフレンドリー接客になる。
その日も「あっついなー。イヤんなるなー」ってグチをこぼされたから、「ほんとですよねー。ちょっと気温上がりすぎですよねー」って答えながらレジ打ってた。
その日はいつもよりかなり大量のお買いものをしてたから、珍しいなー、とは思った。


ぜんぶレジを打ち終わって、お会計を伝えて、そのお金を出してもらうあいだに袋詰めしてった。
そしたらタバコの棚をいろいろ見てるから、わたしはその間に袋をぜんぶ詰め終わっちゃって、「おタバコもお持ちになりますか?」ってお聞きした。
いつも決まってるタバコがあったから、わたしはそれを取ってこようとしたら、「いや、○番と○番の、カートンでどれぐらいある?」って聞かれた。
どっちも、レジのとこの棚にはカートン分はなかったし、数カートンまとめ買いしたいような言い方だったから、「今、見てきますねー」って、わたしはタバコの在庫を見にレジの裏に入った。(レジからは見えない裏に在庫棚があるの)


じぶんがいつも吸ってるわけじゃない銘柄を何カートンも買うのは「珍しい」と思ったから、帰省とかのお土産とかにするのかな、なんて思ってた。
大量の買い物も夏休みのまとめ買い、って感じだったし。


そしたら、隣のレジにいた従業員がわたしのとこにバタバタ来て、「○○ちゃん(わたしの下の名前)、いまのお客さん、お会計もらったの?」って聞かれた。
「え。まだですよー」ってわたしはカートン探しながらのんびり答えた。
代わりにお会計をやってくれるんだと思ったから、「おタバコも欲しいんですってー」って答えたの。
そしたら、「だって帰っちゃったわよ」って言うから「え?」ってなって、レジに出てみたらほんとにいなかった。


一瞬、「あ、タバコは要らなかったのかな」って思ったけど、でもお会計してないからね。
お客さんもそれ忘れちゃって帰っちゃったのかと思ったから、わたしは「暑すぎて呆けちゃったかなー」っていう冗談っぽく笑って、追いかけようとした。


そしたら、裏でカメラ確認出来る権限の人が飛び出してきて、「いまの人、お金払わないで出てった。早く追いかけて。早くっ」ってきつく言ってきたからびっくりした。
なんか、悪意で逃げた人のような言い方だったから、「常連さんだからだいじょうぶですよ」ってわたしは言って、駐車場に出てった。
お店からそこにいた従業員ぜんぶ出てきたから、「逃走した万引き犯つかまえるわけじゃないのに」ってわたしはびっくりしながら、そのお客さんの車の方に走ってった。
カメラ確認した人は勘違いして、駐車場から出ていこうとしてる車さして、「あれ、あの車」って叫んでたから、「ちがいますよー」ってわたしはのんびり答えて、まだ停まってた常連さんの車にぱたぱた笑顔で走ってった。


常連さんがこっちを見たから、わたしは笑顔で手を振って発進を待ってもらおうとした。
確実に目があったのにそのまま走りだして駐車場から出ていこうとしたから、「え?手を振ったの気づいてもらえなかったのかな」って思った。
そのときにわたしも「お金払ってないのわかって帰ろうとしてる?」っていう不審が湧いた。


駐車場を出たとこの通りに丁度何台も車が走ってきて、すぐに出れなくて停まってたから、わたしは追いついて窓をコンコンした。
そしたら、ちらっとこっち見て、そのまま出ていく機会をうかがうように前を向き直したから、すごいびっくりした。
「なんで?」って思ったの。
ほんとに「逃げる」気でお店から出たの?って。


車はなかなか出れなくて、でも窓も開けてもらえなくて。
その数秒に、わたしはものすごいいろんな思考があたまをよぎった。
常連さんだと思ってたから、わたしは「信じてた」。
その気持ちはその場でもまだ消えてなかったから、なにかの「思い違い」が発生しただけなんだと思った。


お店から出てきた従業員がこっちに走ってくるのが見えて、その顔がほんとに万引き犯を捕まえようとしてるみたいにこわい形相になってたから、
(ちがうよー、この方、わざとじゃないよー。お金払うの忘れちゃってるだけだよー)ってわたしは思って、じぶんから説明しないと、って思って、また窓をコンコンした。


そのときに、なんて説明しようか、僅かな時間にものすごいいろいろ考えた。
なんでああいうときって、たった数秒でものすごい思考の量があたまに発生しちゃえるんだろ。


「すみません。お金、まだみたいです」
そう言えば、なんかお客さんが逃げたみたいに思わせて、失礼だよね、って思った。


じゃあ、なんて言えば「失礼にならない」?って、わたしはまた課題をつきつけられてるきぶんになった。
でも、わたしが話しかけてるのに窓を開けてくれない。
これは「悪意」なの?って思ったわたしは、ものすごい戸惑ってた。


なんで?なんで?
いつも仲よくおしゃべりしてたおじさんだよ。
そのおじさんが、わたしのレジを「払い逃げ」するなんて、考えれない。
わざわざ買う気もないカートンを「裏」に探しに行かせて、レジから離れたすきに逃げる、なんて、このおじさんがするとはわたしには考えれなくて、でも実際に窓も開けてくれないで車が途切れたら駐車場から出ていこうとしてる車に、言いようのないショックを感じてた。


車が途切れそうになったから、このまま出ていかれちゃう、って思った。
そしたら、おじさんは「お金を払わないで逃げた」ことが確定しちゃう。


だから、わたしはもう一度、笑顔で「すみませんー」って声だしながらコンコンした。
そしたらやっと窓開けてくれた。
「お金がまだ」ってことをどう失礼がないように伝えればいいのか、まだ迷いながら、
「お引止めしてすみません。わたし、お会計でお釣りをちゃんとお返ししたか忘れてしまって。ごめんなさい」
って言った。


そしたら、おじさんは黙ってたから、「おタバコ取りにいっちゃったから……わたしがお会計してないままになっちゃって……他の従業員がちゃんと対応したでしょうか?」って聞いてみた。


数秒の沈黙のあと、「……いや」って言ったから、お金払ってないのわかってお店から出たんだー、って思ったわたしはやっぱりすごいショックだった。
でも、この場合、このお客さんにどう対応するべきなのか、わたしには判断できなかったからね。
ほかの従業員の態度見れば「悪意の逃走」にお店側がとってるのはわかったけど、わたしもその通りにきつい態度で接していいのかわかんなかった。


だから、とにかく、この方を「ちゃんとしたお客さま」として「失礼のないように」応対するしかないと思った。
「わたしがレジを離れちゃったから申し訳ありませんでした。すみませんがお戻りいただいてお会計させていただいてもいいでしょうか」
って、お願いするようにいったら、戻ってくれた。


うまく言えないんだけど、そのやりとりの態度で、やっぱり「故意に逃げたんだなー」って感じることがあった。
でもその判断は、その場のわたしには「できない」。


こういう、限りなく黒に近いグレーな感じのときの「ベストな対応」が、わたしにはまだわかってない、ってことを自覚した。
だから、とにかく、「こちらの落ち度でお会計がまだ」っていう態度で、「お会計をお願い」することしかできなかった。


そのまま、とぼけられて逃げられた可能性はある。
それを阻止するぐらいに、車を頑として引き止めて、なんとしても逃がさない、なんて対応を「していいのか」わかんなかった。
「このまま帰ると犯罪になりますよ」みたいなことを匂わせていいとも思えなくて、わたしには最後まで「うちのだいじな常連さん」っていう対応しかできなかった。


その後は詳細には書かないけど、うちのお店としては、その方はそれまでもいろいろあったことから「悪意がある」って判断をしたみたい。
いまのお店では、それ以上のことはわたしは聞きだせる立場にいないから、そのお客さんが出入り禁止になったのかもわかんない。


わたしは、いちどもその人にそんな「悪意」をかんじたことがなかったから、じぶんの人を見る目がなさすぎ、っていう結論で片づけていいのか考える。
あんなにニコニコ雑談交わした人を、どんなときにどこまで「疑える」ものなの?


わたしにはショックだけが残った。
じぶんがあのとき、レジを離れないようにしてうまく応対すれば、お客さんにそんな「魔がさす」瞬間を与えなくて済んだんじゃないかな、って考えた。
でも、いつもとちがう買い物の仕方をしたのを考えれば、計画的、だったのかもしれない。
ほんとのことはわかんない。


前のお店で、ある子どもがしょっちゅう万引きしてたけど、その気配だけわかって、その現場をおさえれなくて、つかまえることはできなかった。
そのときにオーナーは、お店の損失を防ぐため、って観点だけじゃなくて、「その子に万引きを続けさせるのはよくない」って視点で、この万引きは早く「やめさせるように」って店員に注意を促してた。


犯罪をついおかしてしまう空気、っていうのはあるかもね。
ATMでだれかが忘れたお金を、そのままもらってしまう人がいる。
確かに、そこにだれのお金があっても「じぶんのもの」にしないのが、「あたりまえ」なんだけど。
人はそこまでただしく生きれる人ばかりじゃないから、「魔がさす」ってときがある。
ふだんはぜったいに「そんなことはしない」感覚がある人でも、なにかこころが弱ってたりこころにスキがあるとき、「いけないことをする機会」が目の前にぽっとあらわれたら、ふらふらとしてしまうこと、をそんなに「異常」とも思えない。


だから、お店も万引きや強盗は、それを「させない」努力もいろいろやってる。
「防犯」っていうのは、やられた時に犯人を捕まえることより、お店の中で犯罪行為が発生しない、っていう意識でいろいろ対策を考えられてる。


わたしはなにか「スキ」を作ってたのかな、っていうモヤモヤが残る。


辛辣な口調でしかからんでこないお客さんに、もっと空気をやわらげる接客方法はあるんじゃないか、って考える。
さいしょは好意的に利用してくれてたお客さんに、「ここは騙せる」って思わせてしまうのは、そんなスキをいくつも見せちゃってたからなのかな、って考える。

 

めんどくさいお客さんに上手に接客するホテルマンの話とか、ラジオでまえに聞いたけど、ああいうスキルを身につけたいなー、ってすごい思った。