ひまつぶしのーと

ヒマつぶしに書いてます

四の五のえっち

ネットをうろうろしてたら、どきどきする言葉、っていうので、
「四の五の言わずに抱かれろよ」
っていうのがあった。

 

 


「それも悪くはないかもしれない」
とぼくは言った。
「今のところ」
とぼくは言った。
「四の五の言わずに抱かれてみる気はないかい?」
とぼくは言った。
「四の五の?」
とみかみかは言った。
「そう。四の五のだ」
とぼくは言った。
「そうね」
とみかみかは言った。
「悪くはないわね。そういうのって、一種のフィジカルな領域の古典的な混乱みたい」
とみかみかは言った。
「ふうむ」
とぼくは言った。
「ほかには?」
とみかみかは言った。
「ぼくに勃起する?」
とぼくは言った。
「そうね」
とみかみかは言った。
「おれが勃起したら抱かれるのはおまえだろ」
とみかみかの背中のおっさんが言った。
「ふうむ」
とぼくは言った。
「だいたいそういうことになるかな」
とぼくは言った。
圧倒的な硬さを失っていないペニスがどっちのものかなんて関係ない。
それから何が起こったのか?
カンタンなことさ。
四の五の言わずにぼくは抱かれた。
ぼくを抱いたやつが誰なのか、そんなことは関係ない。
すべてのものごとはおそらく、だいたいは思い通りにいかないってことだ。

 

 

 

 

めんどくさい会話で口説かれながらえっちしたいよねー。
いまはそんなきぶん。
あんまり壁ドン的な口説きって、わたしはどきどきしない。

 

 


※『スプートニクの恋人』に「とぼくは言った。」が何回出てくるかカウントするよーな文学的こじらせ男子に抱かれたいー。