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ひまつぶしのーと

ヒマつぶしに書いてます

夏の夜とヤプーとマスカレード

日々る。

日記みたいなもの。

 

◆一昨年がたしか、ものすっごい猛暑の夏で、死ぬほどうんざりした記憶がある。
今年も日中の気温的には、その年と変わらないっていうより、それ以上の数字になってるのに、日が暮れた途端気温が下がるから、うちのほうはぜんぜん熱帯夜にならない。

夜はすずしい風が吹く。

夜更けに網戸でセミが鳴いてても殺意は湧かない。

さいきん、ちょくちょく都内に行くけど、都内の暑さはわたしには耐えれない。
全身をつつむ空気が熱気すぎて息ができない。

暗くなってから車で走ってても、地元のほうだと夜はエアコンなんて要らなくて窓開けてるときもちいいのに、都心の道路はエアコン必要。
窓開けてると、車内にきもちわるい熱気がはいりこんでくる。

露出してる肌に熱気がへばりついて、全身濡れてる生き物に変化するかんじ。

この全身の不快感には小説の題材になりそうな成分たっぷり感がするよね。

 

◆書くお仕事のほうで、お盆進行、っていうのを経験した。
年末進行、GW進行、っていうのもちょっぴり経験したけど、こんかいはかなりわたしには影響あった。

お店のバイトだって、お盆進行、みたいなものはある。
主婦が休んで、その代わりに学生がシフトを埋める。
平日でも休日的な発注。
お盆も通常通りに出るわたしはいまのお店でも「どこにも遊びに行く友だちやカレシがいない人」みたいに思われてる。

 

◆さいきん、バイトのお店のトップが変わったから、空気がものすごい変わった。
そんなにお客さんをだいじにしてた店じゃなかったのに、急にお客さま至上主義になって、その代わり、従業員がニンゲンからニンゲン以下に格下げになった。

 

家畜人ヤプーでたとえると。
お客さんは白人の貴族女性ね。
経営者一族は白人の貴族男性。白人の貴族女性よりは身分は下。
経営者一族のお気に入り従業員は有色人種の奴隷。いちおうニンゲン。家畜人を蔑む権利がある。
あとの従業員は家畜人ヤプー。ニンゲンに非ず。すべてのものから蔑まれる。

(※あくまでも小説『家畜人ヤプー』の世界のフィクションの人種観なので、現実の社会とは関係ないです)

 

あんまりバカバカしい空気になったから、わたしも辞めちゃいたいけど、家賃だけでも時給で安定して稼いでおきたいし、ウツが出てるときはやっと仕事に行けてるぐらいだから、まだ転職活動するこころの体力がぜんぜんない。
それに、折角ピチ子さんと仲よくなったのに、とも思う。
ピチ子さんとは冗談言って笑ったりするぐらいに仲よくなった。

じぶんのシフトの人間関係がよくなれば、あとはだれとどうなってもあまり気にならないから、ヤプー扱いされてることはストレスにはなってないしね。

ただ、あまりにトップが幼稚園レベルの思考で従業員を扱ってるから、こういうのに振り回されながら働いてお店の売り上げに貢献するのがバカバカしくなる。

 

どれぐらいくだらない空気になったかっていうと、トップのおばちゃん(おばちゃん呼ばわり。オーナー一族の還暦すぎた女の人がお店を支配するようになったの)、何人かのお気に入り主婦さんだけと親しげに喋って、ほかのヤプー従業員にはものすっごい口調が変わる。

お気に入り主婦パートさんたちもなんでか、それまでフツーにしゃべってた従業員たちをおなじようにヤプー扱いして威張るようになった。
オーナーおばちゃんはお気に入り主婦さんたちにだけ、お菓子とかいろいろ分けてて(ほかの人たちも見てるところで)、ヤプー従業員はまったく無視。
笑っちゃうぐらいに、幼稚園のボス女子とその取り巻き女子たち、みたいになってる。

 

このまえ、ものすっごい笑ったのは、出勤してきたオーナーおばちゃんが納品中のピチ子さんに「ほらこれ」って、なにかの包みを持たせたのね。
ピチ子さんにお菓子あげたのかなー、珍しいなー、って思って見てたら(ピチ子さんもヤプー扱いされてるから)、ピチ子さんがそれ持ってわたしのとこに来て、
「これ、いま渡されてどうしろっていうのよ、ねぇ?」
って、耳元で唸ってきた。
見たら、前日にトイレ用の雑巾をオーナーが家から持ってくるとかそんな話をしてたけど、その「雑巾」を袋に詰めたものをピチ子さんに渡したの。
その雑巾も、いろんな手ぬぐいをじぶんで縫ったみたいな「手作り感」がすごくて、キレたピチ子さんがその袋を掃除道具入れに投げ入れてた。

「お菓子かと思った。そんなのわたしたちにくれるの珍しいなーって」
って、わたしが言ったら、
「わたしも思ったわよ」
って、ピチ子さんもしかめっ面で言って、それでふたりで声だしてゲラゲラ笑った。

そしたらカメラで見てたオーナーおばちゃんが出てきて「フロアで笑わない」ってものすごい怒ったから、カメラに背中向けてピチ子さんがものすごい呆れた顔して、わたしもカメラに背中向けておなじようにヘンな顔して、ふたりでまたくすくす笑った。

こんなふうにピチ子さんと笑えるようになったこの職場もそんなにわるくないよねー、なんて思っちゃう。

シフト交替のときにちょっとだけ会えるカノンさんと、ちょっとだけふたりにしかわかんないおしゃべりを小声でするのもたのしいしねー。

 

だけど、わたしたちが大量納品(チルドだから早く冷蔵ケースにいれないといけない)に追われてるときに、棚から死角になってるレジに来たお客さんに気づくのが少し遅れただけで、裏でモニター睨んでるオーナーおばちゃんがすっ飛んできて怒るのもバカバカしくなる。
そんな裏でモニター睨んでるヒマがあれば、じぶんがレジに立てばいーじゃんー。
毎朝わたしたちが納品と格闘してるあいだ、裏で発注出勤してきたお気に入りの主婦パートさんたちとお菓子食べてるんだから、そのだれかがレジに行けばいーじゃんー。

「お客さまを待たせない」ってものすっごい睨みつけて怒るけど、ほんとにお客さんのこと考えてたらじぶんが真っ先にレジにすっ飛んでってから、そのあとでゆっくりヤプーを怒るよね。

そのうち「そんなこと言いに来てるあいだに裏にいるだれかがレジに立ったらどうですか」って言い返しちゃいそう。

そのときがわたしの辞めるタイミングかもねー。

 

◆このまえ書いた接客のモヤモヤの記事のブクマで、id:kutabirehatekoさんから『マスカレード・ホテル』を読んで感想を聞かせてほしい、ってコメントいただいたから、東野圭吾さんの本、買ってきた。

 

マスカレード・ホテル

マスカレード・ホテル

 

 

これ気になってて読んでみたい、って思ってたから、いい機会をいただいた。

 

いまは文庫の70ページまで読んだけど。
これだけのあいだに、ホテルマンの接客のポリシーみたいなのが出てきておもしろい。

 

ホテルとコンビニは「接客」も違うと思うけど、わたしのバイトの仕事がおもしろいとおもうのは接客のぶぶんもおおきいんだよね。
わたしの職場では、公式の接客のマニュアルはあるけど、研修ではちゃんと教わったりしない。

新人にはマニュアルをざっと読ませて、あとは現場で覚えろ、っていうかんじ。
だから、その人によっての感覚はばらばらだから、お店で接客の統一感がなかなか出ない。
おまけにオーナーが、まともなビジネスを知らない「お金と土地があるからコンビニやってみた」だけの世間知らずのニンゲンだったりすると、職場はオーナーの家庭内ルールがそのまま適用される。

地主オーナーには本社の社員も強い態度に出ない。

オーナーがカンペキな接客をしてるお店なんて、わたし、この地元のどのコンビニでも見たことない。
いちばん態度がわるいのがオーナーだった、とかザラだし、わたしから見ても、「それ接客する姿勢ですか?」って言いたくなるような態度だったりする。

 

わたしは、コンビニ、っていう業種関係なく、「接客」にいま関心があって、ラジオとかでもそういうプロフェッショナルな話を聞くのが好き。

そういう意味でコンビニっていう場所は、いろんなお客さんと接することができるから、おもしろい職場だと思う。
お金がある人、ない人、老若男女、いろんな国の人、さまざまな職業の人。

ヤクザも来るし、ホームレスの人も来るし、強盗の下見も来る。

いろんな人のいろんな面を見ることもできる。
上等な服装をして知的に見える紳士が、レジのお金のやりとりで吝嗇的なところを見せたり。
学生のお客さんの多くが、レジの店員にナチュラルにお礼を言ってくれたり。
子どもにレジのお金のやりとりをさせる親御さんも、その子に店員にちゃんと挨拶させる人、店員に威張らせておく人。

 

いろんな人と接するたびに、わたしはその人の暮らしや人生を想像する。
その人の人生の、ほんの刹那の接点でしかないけど、レジで向き合うその僅かな時間に、なにができるかな、ってかんがえる。

だれに対してもものすごい横暴な態度でしか接してこなかったお客さんに、ずっと毎日毎日毎日毎日笑顔でこころをこめたフレンドリー接客をしていたら、そのうち態度が柔らかくなって。
その変化にノン子さんとピチ子さんも気づいて。
「あのお客さん、怒らなくなったねー」って、わたしたちは言ってて。

だから、みんなでもっと笑顔接客を続けてったら、そのうちわたしたちと雑談するようになった。

笑顔でお店に入ってきて、笑顔で出ていくようになった。
それまではレジに並ぶだけで舌打ちして、ほかのお客さんにも不快な思いをさせてたぐらいだったのに、いまはどんなにレジが混んでても「仕方ないなー」って諦め顔して、穏やかな態度で並んでくれる。
「お待たせしてすみません」って順番が来てお詫びすると、「いいよいいよ」って言ってくれるようにもなった。

あんなに毎朝毎朝ものすっごい横暴な態度でいらしてたときは、あの人はお店じゃないとこでもいつもあんなふうなのかなー、って思ってた。
いつもあんな態度で暮らしてたら、じぶんが疲れちゃわないのかなー、って思ったりもした。
あんな態度になってしまうようなことが、いろいろあったのかなー、って想像もしてみた。

でも、笑顔で帰っていくようになって、なんかすごいうれしくなる。
その人の一日が少しでもいいきぶんで過ごせるといいな、っておもう。

 

わたしは、コンビニなんて無機質な接客がいちばんいいと思ってた。
じぶんがそうされたいから。
店員に覚えられたくない、フレンドリーな態度もいらない。
ただ、淡々とレジ打ってお金のやりとりして、その記憶もいちいち留める必要もないぐらいの出来事でいてほしい。

 

都会のコンビニはそういうのを望むお客さんが多いかもしれない。
でも、田舎はそうじゃないんだよね、って少しずつわかってきた。
こころの触れあいを欲しがるお客さんが多い。
一日だれともしゃべることがなくて、お店に来て店員としゃべるのがたのしみ、っていう人もいる。

そういう地域で好まれる「接客」があるよね。
ホテルはホテルの接客、コンビニはコンビニの接客。
都会の接客、田舎の接客。
ドライな接客、フレンドリーな接客。

どんな接客がベストか、っていうのは、業種や地域や客層でちがう。
いろんな考える余地、学ぶもの、たくさんあるからおもしろい仕事だよねー、ってかんじてる。

 

◆ちょっとした箇条書きの日記書くつもりがだらだらだらだら長くなっちゃった。

(^_^)

 

じゃあのー。