ひまつぶしのーと

ヒマつぶしに書いてます

お店側の道理とお客の言い分の不幸な食い違い

いまはお店のバイトは辞めたまま。

それなのにバイトしてた時の仕事のことをいろいろ考えちゃうクセがなおらない。

 

このまえ出かけたとき、バイトしてたとことちがう系列のコンビニにコーヒー買うのに寄った。

そこのお店はセルフのコーヒーマシンの横に、一緒にお勧めのクッキーとか常温スイーツをかわいいカゴに入れて並べてた。

なんかおいしそう、っておもって、ひとつひとつ手にとって後ろの成分表見てたら、レジの中にいたおばさんの店員が、

「それ無料じゃありませんよ。ここでお金払ってください」

って、きつい言い方で注意してきた。

 

そんなのわかってる。

でも、まえから、こんなとこに「ごいっしょにどうぞ」的に置いてあるお店見るたびに、無料だとおもって持っていっちゃう人もいそう、っておもってた。

そういう人が何人もいたから、お店の人もピリピリして注意したんだとおもうけど。

 

それなら、間違ってでも無料だとおもって持っていかれない工夫すればいいじゃん。

 

って、おもう。

お客さんが間違える、っていうのは、お店のそのやり方になにか問題があったりするから、お店側で改善できること、っていろいろあるんだよね。

 

いきなり怒られたかんじだったから、ちょっとビクっとして、「あ、はい」って戻した。

ほんとは、

「(有料だと)わかってます。ちょっと見てただけです。でもそんな言い方されたら買う気なくなりました」

ってことを言いたかった。

だけど、怒られた時にそういうことを長々と言い返すのは、なんか言い訳みたいな口応えみたいな、なんとなくこっちの返答で不快にさせるだけな気がして、わたしは「あ、はい」としか言えなかった。

 

そしたら、「無料でとろうしたした」ってとれちゃったのかもしれない。

「あ、お砂糖とかも利用する分だけにしてくださいね」

って、更にそこまで注意された。

 

そんなのわかってる。

っていうか、利用する分以上のものを持って帰る感覚は、わたしにはぜんぜんない。

そんな素振りもしてなかった。

 

なのに、これからやられるかもしれない、って警戒した店員さんは、先回りしてわたしに注意してきた。

そのとき、このお店で一円でもお金払ったことを後悔した。

 

先回りしてお客を泥棒扱いするお店。

スイーツもコーヒーの備品も、それをひとつも不正に持って帰ろうともしてないのに。

ただ、スイーツを手にしただけで不審者扱いされて、ものすごい気分悪くして帰った。

お店を出た直後は、二度とこの系列は利用しない、っていうぐらいのムカムカもあった。

 

こんなことがあった後で、またそこを通りかかったけど、そのお店が視界に入ると不愉快な過去の感情が蘇って、これからもだれかと通りかかって、その相手が入ろうとしたら、わたしは「ちがうとこ行こう」って止めるとおもう。

理由は詳細に話さなくても「ここ、なんかキライなの」とか言って。

 

その後、じぶんが働いてた系列のちがうお店で買い物して、レジで並んでたとき、わたしのまえでレジ精算してたお客がフロアの棚で売られてるそこの系列オリジナルのお惣菜を買ってて。

そのお惣菜に、レジフードの調味料をつけて、っておねがいしてて、ものすごい冷たく断られてた。

 

「この商品にはつけれませんよ。こっちでおつけしてるものは、お店で買ってサービスでつけてるんです。タダで仕入れてるもんじゃないんですよ」

店員は若い大学生っぽい男子。

お客は仕事帰りっぽいおじさん。

 

店員は、つけれないことをお詫びしてやわらかく断るんじゃなくて、お説教みたいなことまでくどくどイヤミっぽい口調で言ってた。

言い方がそんなだったら、わたしもびっくりしたけど、お客のおじさんもびっくりしたかんじで、

「あ、ああ、そうなんだ。いつもちがうとこではつけてくれてたから」

って、おどおどした口調で応えてた。

 

「さあ、他所は知りませんが。○○(お客がほしがった調味料)は、こっちの商品(それをつけるレジフードの商品)の代金に含まれてる付属品なんです。この惣菜(お客が買おうとしたもの)の価格にはこの値段は入ってないんですよね」

 

店員は更に、そういう仕組みをお客に偉そうにくどくど説明してた。
そしたら、「あ、そうなんだ。すみません」ってさいしょはぼそぼそ謝ってたおじさんが、店員のお説教がいつまでも続いていたから、
「あ、もうこれ、いいから」って言って、そのままレジを離れてすたすたお店から出ていっちゃった。

 

買う気がなくなっちゃったのは、わたし、すごいわかる。
その場面を見ただけでもわかる気がするし、じぶんがちょっとまえにコーヒー買ったとこでおなじ感情になった経験をしたばかりだったし。

 

でも店員はわかんなかったみたいで、
「は?ふざけんなよ」
って、ちいさく悪態ついてた。
ほかの店員が「どうしたの?」って聞きにきたら、
「これいらないから、ってこのままにして帰ったよ」
って、言ってて、もう一人の人はなんにも事情わかってないから、お客がわるいとおもったみたいで苦笑してて。
「いいよ、オレが戻してくる」
って、代わりに棚に戻してきてた。

 

レジ店員はほんとにあたまきたみたいで、「次どうぞ」って素っ気なくわたしを呼んだ。
わたし、それ見て、「あ、いえ、ごめんなさい」ってモヤモヤ謝って、商品を戻してなにも買わないでお店から出ちゃった。
たぶん、わたしもなんか悪態つかれたとおもうけど。

 

でも、二度とこのお店には来ない。
そう堅くじぶんに誓っちゃうぐらい、そのお店でお金つかうのがイヤになった。

 

 

この出来事には、わたしのあたまでかんがえるとふたつの問題があって。

 

ひとつは。

お客に恥をかかせるような応対をしてること。

お客の勘違いや間違い、ちょっとした我儘な要求、いろいろあるけど。

それをお店側で訂正したりお断わりするとき、あくまでもお客さんが不愉快にならないような言い方をするのが接客業。

 

それなのに、お客の方にこれだけの「非」がある、っていうことをあからさまに伝えるような応答をしてるから、その接客が「失敗」に終わってる。
おじさんはもう二度とそこで買い物しないかもしれない。
わたしならしない。

わたしも、コーヒー買ったお店には二度と立ち寄らない。

 

万引きしたわけでもないのに、どっちも、お客の方に非があることを主張する態度でお説教みたいな言葉をつけくわえて、その結果、お客を逆ギレさせるんじゃなくて、お客を、いたたまれない気持ちにさせてる。

 

たとえお店側の言ってることが間違いじゃなくても。
お客の勘違いを正す口調でお客を恥かかせたら、ひとりのお客を失う。
その人は二度と来なくなる、っていうだけじゃなくて、その人の知り合いも来なくなるかもしれない。
ネットでお店の悪口を拡散されなくてもね。

 

お客ひとりひとりは、リアルでささやかなネットワークをもってる。
ひとりのお客さんには、その人の人間関係があるから。
イヤな想いをさせられて、お店では暴れたりしないで大人しく帰ったし、どこにもクレームはいれない人だとしても。
家に帰って家族や友人に「あそこでこんなことあって」ってこぼすかもしれない。
そしたら、それを聞いた近しい人たちは憤慨して、「なにそこ。じゃあ、じぶんもそんな店員がいるなら買い物しないようにしよう」っておもうかもしれない。
その人の知り合いが、そこの店で買い物してる常連なのを知ると、「あそこ、すごいかんじわるい店員がいるから行かないほうがいいよ」って、さらに不買が広まるかも。

 

万引きとか明らかな問題客でもないお客に「二度とここで買い物する気がない」っておもわせるのは、けっきょくお店が損するんだよね。

 

だからなんでも我儘をきけ、ってことじゃなくて、お客の要求に応えれない場合でも、お店が見せるべき態度は、「応えれないことを申し訳なくおもってる」ってことで、「そんな要求をするお客に謝らせるような理屈を返す」ことじゃない。

 

でも、店員がその損の自覚がなければ、もうどうしようもない。

「ハズレのお店」に行っちゃったお客の不快感が残るだけで、店員側は「じぶんはただしい態度で迷惑な客を追い払ってる」って思いこんで、これからもそういう態度でやっていくのかもしれないし。

 

そのお店はもったいないねー、って、傍からはそうおもうだけ。

 

 

もうひとつの問題は。

 

お客から見れば、同系列のコンビニは「どこもおなじサービスが受けれる」と思い込むのはあたりまえ。

どこのお店もだいたい売られてるものはおなじだし、店員の制服もおなじだし、店内の棚の配置も似たようなつくりになってるし。

 

あのおじさんのお客が要求した調味料は、わたしがバイトしてたとこでも、フロア売りの惣菜にもつけてた。

それつけると、もっとおいしくなるから。

わたしの地元では、つけてるお店とつけてないお店と半々ぐらい。(わたしリサーチ)

うちのお店では、さいしょから惣菜にぺたっとつけて棚に並べてた。

納品されたときはそんなもんついてないから、お店側でつけてから売り場に出すの。

 

だから、あのおじさん客の要求は強欲な我儘なんかじゃなくて、たぶんおじさんが行く他のお店では、黙っててもつけてくれたのかもね。

そういうサービスを他店がしてることを知らない男子店員が、おじさんの図々しい要求だと思い込んで、あんな偉そうに仕入れ価格の説明なんてしちゃったんだとおもう。

 

あの男子店員の態度は確かに問題あるけど。

そこまで「じぶんの主張はただしい」とおもわせたのは、「レジフードの調味料は他の商品にはつけない」のが「当然」のことだと信じこんでるから。

公式マニュアルにも「これを他の惣菜につけてもおいしいです」なんて一言も書かれてないし。

 

おなじ系列でサービスがバラバラだと、お客も店員も現場で混乱する。

それで、どっちもが不快になる食い違いが起こったりしちゃう。

 

サービスしてるお店は、それがお客に良かれとおもってるんだから、接客業として間違ってるわけでもないんだよね。

でも、同一のサービスをしてないお店は、こんどは「なんだここはケチ」っておもわれちゃったりする。

そこはなにも間違ってないのに。

 

これ、ファミレスでもあるんだよね。

同種のファミレスのA店でたのんだセットが、ものすごいよかったとき。

わたしはそれがお気に入りで、いちじき、その系列のとこではどこ行ってもおなじセット頼んでた。

(あちこち外食してたころの話ねー)

 

そしたら、お店によって出てくるそのセットにバラつきがあるのを知ったの。

メニューに載ってない調味料を付属でつけてくれるお店。

わたしはそこがいちばんさいしょだったから、その調味料つきの味をすごい気に入ったのに、他所ではつけてくれなくて、がっかりした。

その調味料もくださいって言ったら、持ってきてくれたけど、「は?なんでそれつけるの?」みたいにムッとされたのがわかったから、「あ、フツーはつけてくれないんだ」ってそこで悟って、二度と他ではおねがいしなかった。

 

付け合せや盛りつけがぜんぜん違ったり、食器もぜんぜん違ったり。

だからおなじ写真つきのメニューのおなじものを頼んでるのに、各店でおなじものを食べれないの。

アタリ、ハズレの差がおっきいの。

その料理はとくにそんな差がすごくて、おもしろい体験した。

さいしょにハズレのお店で食べちゃったら「なにこのメニュー」って、ぜったい二度と食べようとはしなかったとおもう。

わたしはサービスの調味料がつかなくても、アタリの味が忘れられなくて、バクチ感覚でついついいつもそれを、どこに行っても頼んでた。

 

アタリのお店とハズレのお店と、そのメニューの売り上げ、どれだけ違うんだろ。

そんなデータも知りたくなっちゃう。

 

でも、同じ系列のお店なのに、あんまりにバラつきがあるのは、やっぱり問題がいろいろあるよねー、っておもう。

調味料を店員さんがわすれたんだとおもって、あたりまえのように「あの、○○もください」なんて言っちゃったわたしは、ムッとされて、過剰なサービスを要求してたことを悟って、恥ずかしくなった。

 

何も知らないお客は、各店独自のサービスを他所では受けれないと、そこのお店に恥をかかされたり、不満を抱く。

 

正当なサービスのみで展開してるお店も、そうやって、なにも間違っていないサービスをちゃんと提供してるのに、なんでかお客から嫌われちゃったりする。

 

独自サービスはお店もお客も、しあわせになるけど、不幸にもなる。

独自サービスの導入でひとりでもお客を増やしたい企業努力ってまちがってないとおもうけど、 「おなじ看板のお店はどこもおなじ」って思いこむ消費者をどうやったら混乱させないで済むだろ。

 

おなじ系列でも直営とフランチャイズはまた違うかもしれないけど。

 

本部はだから、独自サービスは一律禁止、ってことにしたとしても。

でも、フランチャイズは、各店舗がそれぞれ独自の会社組織になってるから、本部から同系列他店をおなじ地域でいくつも増やされちゃうと、共食いみたいなお客の奪い合いになる。

同系列店は「仲間」じゃなくて「ライバル」なんだよね。

おなじサービス展開してたら、同系列他店にお客が流れちゃう不利な立地のとこは、独自のサービスでお客を呼び込むしかないもん。

 

わたしが働いてきたとこは、お客を他所に奪われたくなくて、セルフのマルチコピー機もたのまれれば操作をぜんぶやってあげたり、店頭持ち込み・受け取りの宅配便やネット商品は車まで運んであげたり。
こういうサービスに慣れたうちのお客さんが、他所でおなじこと要求して冷たく断られて傷つかないといいけど、って、バイトしてた時もおもってた。

 

コンビニ店長さんの意見も聞いてみたくなるー。

 

 

 

 

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うちのカフェの店員はお料理をつくるだけです。

運ぶ分のお給料は払ってません。(払えません)

お客さん、怒ってるだけじゃうちの特製ボルシチは食べれませんよー。